「そんなに意外?」
かっこいいなんて沢山言われてるだろうせいがなんで私のお母さんにそんなに驚くの?
「だって、ななの母さんは会えばずっと可愛い可愛いって言ってたから…それは初めて」
ちょっと目線をそらして恥ずかしそうにモゴモゴとそういうせいがまさに可愛かった。
「そういうのが可愛いんだよ」
クスクスと笑いながら指を指す。
へ?とせいは何がだよというように自分の体をあちこち見始めた。
おいおい、天然か。
「それにね、紳士みたいだったわ〜って言ってた。もうどこが?って感じ」
「は?お前失礼だな」
むすっと不機嫌そうに眉をひそめるせい。
「まぁまぁ!とにかく、せいはちゃんとかっこよくなってるってことだよ」
「なんだそれ」
そんなどうでもいい話しをずっとしてると、不意にせいが「結人とはどうなの?」と聞いてきた。
「結人」の言葉にドキッとする。
「ああ!結人とは上手くやってるよー?私結人が大好きみたいでさ〜」
とりあえず惚気ておけば怪しまれないでしょ…。
でも、せいにはこんな嘘をつきたくない。
誤解して欲しくない…。
そんな感情が私を邪魔してくる。
私にそんな感情いらないのに。

