「もうお前遅いからこっちでやろーぜ」
「やろーぜって、ここ私の部屋なのに…ってまぁ、いいけどさぁ〜」
ガサガサ、とビニール袋をぶら下げてせいは私に見せてきた。
「なにそれ?」
結構重たそう…。そう思いながらせいに聞く。
「打ち上げするんだから、食べるもん持ってきたんだよ。どーせ忘れてると思って」
呆れた顔をしながら首をすくめてせいはそう言うとビニール袋の中からお菓子やジュースを出した。
「わあ!ありがとうございます〜!さすが星太様!」
私の好きなお菓子ばっかり!!
立っていた私はテーブルまで駆け寄ってせいの向かい側に座った。
「あ、コップ持ってくるね」
もう一回立って駆け足でリビングに行く。
「せい君本当にかっこよくなったね〜」
「あー、外見だけね」
コップを取りに台所に向かうとお母さんがニヤニヤしながら二階のほうを見た。
「礼儀正しくて紳士のようだったわ〜」
お母さんは空を見て思い出しながら感心するようにそう言った。
「あっそ!お母さんにだけだよ」
お母さんにだけっていうか、他人にはそういうもんだろう。
「はーい、コップ」
「おお、ありがとう」
上に戻ってせいにコップを渡す。
すぐにわたしの好きなブドウジュースが注がれた。
紫色の綺麗な液体が揺れている。

