違う…違う…違う。
好きになるわけないの。
『舞花が幸せならそれでいいんだよ』
結人の思いを壊しちゃいけない。
きっと長い間舞花の事が好きで、それでも舞花の恋を応援してきたんだから。
私が壊しちゃいけない。
私も抑え込まなきゃ。
「…っ…ひっ…」
私は好きなんかじゃない。
せいはずっと幼馴染。
今更好きになるなんておかしいことだよ。
特に何かあったわけじゃないもん。
「…なんでっ…止まらないのっ…」
言い聞かせるほど涙はこぼれ落ちていき止める事ができない。
どこでスイッチが入っちゃったんだろ。
結人が『もしも』のままで私の質問に答えてくれてたらこんなにならなかったのかもしれないのに…。
「ずるいよぉ〜」
どうして今更。私に言ってくれても良かったのに。こんなの…ズルい。
いつの間にか結人が私よりも大人になっていて、どうして今まで私は気づかなかったんだろう。
あぁ、そっか…大人になった結人の事なんて子どものままの私には分かるわけないか。

