四色恋模様




でも、ちゃんと分かった。


私はゆっくりと足を前に出して歩き始めた。




結人の答えは私と同じだ。
私は何があっても2人を応援しなきゃ。


それは結人が今までそうしてきた事を壊さないため。




もし、私がせいの事を好きになっても私はせいと舞花を応援する。



せいの顔が頭に浮かんできてそれを頭を振って消す。



せいと話すと今までとは違って妙に嬉しくなったり楽しくなったり。


せいが側にいるとドキドキしたり、もっと近くにいたいと思ったり。



私の名前を呼ぶ夢を見たり。



最近はせいの事ばかり。もしかして…私はせいが好きなの?




自分に聞いてみるけど、返ってくる言葉はいつだってNOだ。





ー違う。





舞花が好きな人を好きになるわけない。
せいはただの幼馴染。


私は気持ちが揺れるたびこうやって自分に言い聞かせてる。


返ってきているわけじゃないんだ。NOだと自分の中に言い聞かせているだけなんだ。



「…っ…ぅうっ…」



俯いて歩きながら口を手で押さえて声を抑える。



でも、涙は止まってくれない。溢れて、視界が滲んで、瞬きをすると下に溢れて地面にシミをつけてく。