大切なものができたあの日

「えーと、千帆ちゃん。楽器渡すね?」

「あっ、はい。」

「持ち方とかは、体験のとき、教えたね。
えっと確かドのおとは、出たはず…。」


あたしは、この時このトランペットとは、
最悪の出会いだと思っていた。
だから、これが、あたしとトランペットとの、奇跡の出会いなんてことは、
分からなかった。