がしっ。



「おい、待て。」



やばい、がっしり腕掴まれてる。

逃げられないじゃないの!



「えーっと、その手を離していただけると、とても嬉しいのですが?」


「え、嫌だけど?」



なんだとこらあああぁぁぁぁー!



「嫌じゃなくて、1回離そうか。」


「は?だから普通に嫌だって笑」



今、ケンカ中だよ?

分かってんの?

なのに、言う言葉に笑とか入れちゃうわけ?

それってどーなのよ。



「いや、だーかーらー!」



バサっ。



ベッドを囲むように付いているカーテンを引いて、あいつは私と自分を隠した。



「ちょ、何してんの?!」



チュッ。



は?

いや、どのタイミングでキスしてんの?

だからケンカ中だって言ってんじゃ.....



「ないのっ!」



とりあえず神崎から離れる。



「は?」


「ケンカ中に何してくれてるわけ?」


「ケンカ中とは?」



神崎が意味不明みたいな顔をする。



はあああぁぁぁぁー?

なに?

ケンカだと思ってたのは私だけ?!



「だから、神崎が他の女子とベタベタするから、私はっ!」


「へぇー?
なに?嫉妬してんの?」



誰が嫉妬するかコノヤロー!



「ふっ、勝ったな。」



何がー?!

何が勝ったんですかねー?!



またいつものしたり顔だ。