ハルさんは瞠目して、ゆっくりと瞬きをする。

多分、私の言葉を反芻しているのだろう。

聞き間違いか、疑っているのかもしれない。

それもそうだ、先程まで自分に興味ない、と言っていた女がいきなり意見を変えたのだ。戸惑うのも当たり前…あれ、というかこれって何だか告白みたいだな、と思う。

教えてほしい、なんて気がある女が探りを入れているみたいでイヤだなぁ。

でも知りたいなぁ。

そんなことを考えていると、少し不安になってきた。


「…無理に答えなくてもいいです。すみません、プライベートなことに口を挟んで」


ハルさんが答える前に、喋り出す自分の口。

なにを焦っているのだろうか、早口になった。

ちょっと自分が解らない。


「よく考えると、そこまで知りたいとは…」

「俺に興味あるの?」


さっきの自分の言葉を否定してなかったことにしようと思ったが、それを遮ってハルさんが問いてくる。

そして、何を思ったか椅子から立ち上がり、テーブルに手をついて顔を近づけてきた。


近い、なんだ、この迫力のある雰囲気は。


近づいてきて、身を引きたいのに流石魅了をプロとするアイドルだからか、その真剣な目に身体を動かすことが出来なかった。