思わず目を離す。

迫力すげーな、と思っていると移した目線の先では揺れるみっちー…いや、ミハマソーダ。


「…ミハマソーダ」

「……………」


私が呟いた瞬間、ビニール袋を持つ手を引く、あまりの勢いにやっぱり思わず持ち主の顔を窺ってしまった。


そこには眉を潜めて地面に目線を落とす、見目の整った顔。


やっぱりどこかで…と思った頭に過ったのは、春休みの、朝の海辺の光景。


「あっ」と思ったと共に口にしていた。


「アイドル様じゃん」

「………は?」


目の前のアイドル様は、不機嫌な顔をしても不細工にはならないのだと、勝手に納得した。