ふわりと体が暖かるなる。 トーコが、僕を抱きしめてくれたんだ。 「だいじょうぶ、私がいるから」 「うん」 「どこにもいかないから」 「うん」 「愛してる」 「・・・うん」 ごめん、トーコ。 僕はずるい男だ。 トーコの優しさに甘えて、君を苦しめて、苦しめて、苦しめて。 だけどまさか、あんな残酷な終わりが来るなんて思ってもいなかったんだ――。