綺麗な花には棘がある。

春人は荷物を家に置いてから行くと言って

隣の家に帰っていった。





私の家は普通の一軒家で隣に住む春人の家とは大違い。

春人の家はスッゴクでかくてお家には家政婦さんがいて
この辺りでは珍しい三階建ての大きな屋敷だった。



初めて会ったときはきっと髭の生えたおじさんが威張っているんだろうな。
とか思っていた自分がバカらしくなるくらいにこにこした髭のないおじさんが挨拶に来た。



その時横にいたのが春人だった。



「よろしく。夕凪さん。」



そんな素っ気ない一言だった。



だけどすぐ隣の優しそうなおじさんがゴンと一発ゲンコツを食らわせ、頭をガシッと掴み深々と頭を下げさせた。

「無愛想ですみません。どうぞ仲良くしてやってください！ごめんね千里ちゃん。」



おじさんは私の目線に合わせるようにしゃがみにっこりと笑った。




私は全然気にしてないです！春人くんよろしく。


そういって笑った。