「香苗。ごめん。今日、日直だから少し遅れるから先に3人でカラオケ行ってて。」
私は黒板を消しながら一番ど真ん中でノートを写している香苗に言った。
「そっか!今日、日直じゃん。手伝おっか?」
ノートを書き終えた香苗は顔を上げて首をかしげた。
「いいよ。翔君待たせたら悪いし。今日は提出物も少ないから一人でできるよ。」
私はチョークの粉をパタパタとはたきながら香苗に言った。
香苗はりょーかい!と言って荷物を持って行ってきまーすと教室を出ていった。
「千里ー。行こーぜ。って日直かよ!」
誰もいなくなった教室にガラッと勢いよく扉を開けたのは柚だった。
私が日直日誌を書いているのを確認すると私の前の席に座り私の日誌を覗いた。
「待ってるから急げよ。」
「先に行っててよ。まだかかるから。」
わかったと柚は席を立って出ていった。
私は1人黙々と日誌を書いていると
また教室の扉が静かに開いた。
「行ったんじゃなかったの?」

