綺麗な花には棘がある。

「ちー。今日の帰りカラオケ行こー。」


中学で初めての女友達。
夕月 香苗
サバサバしてて明るくて
私が柚を初めて殴ったときに気に入った!と仲良くなった。
柚がキッカケなのが気にくわないけど。




「いいよー。他誰がいるのー?」


私は一時間目の用意をしながら片手間に聞いた。
香苗はそばまで来て耳元で言った。
「翔君と柚。」




「翔くん!?」



私は持っていた教科書を全部落としたがそんなことは気にしない!
翔くんといえば、サッカー部のエースで学年1のモテ男。
だけど浮いた噂一つもなくて誠実で
勉強もできる完璧くん!


「ちょっと千里。しーっ。」




香苗は私の口元を両手で塞ぐと慌てて言った。
そして少しだけ顔を赤らめながら応援してよね!と拳をぎゅっと握りしめた。






「そーいえば、ちーの方はどうなの?」



「え?私?誰と?」





「柚とはどうなの?」





不思議そうに言った香苗に私は全力で否定した。

「柚は友達だよ!なに言ってんの!」


私はブンブンと頭を横に降った。



「えー。あやしいー。」


最後まで疑ってた香苗だけど
私はありえないと否定した。




「そんなことより!翔くん。どうやって誘ったの?」




部活がオフの日なんて競争率の高いのにと香苗に言うと香苗はにこーっと笑い窓の方を指差した。

指差した方を見ると柚と数人の男子が楽しそうにしゃべっていた。


「柚に誘ってもらったのー。翔君と仲いいから!」



なるほど。だから私と柚と翔君と香苗というわけね。