綺麗な花には棘がある。

「夕凪。帰るぞ。」



毎度お馴染みのこのセリフ。


私は残りの荷物を鞄に突っ込み
早足で春人についていった。


春人が少し遅めに歩いて
私は少し早めに歩く。




そんな何気ない日々がずっと続くと思ってた。


ずっとこのままなんてあるはずないのに。




でもこのときの私にとって当たり前なこの時が今私には遠い過去。





小学校5年生。
私は春人の隣にずっといられると思ってた。