「私は、1年前から病気で…余命1ヶ月と言われました。」

1年生が驚いている。私は続けた。

「でも、陸やみっちゃん…未来、バレー部の皆のおかげで、1年も生きることができました。」

「…でも、もう本当にあと1ヶ月だと言われました。」

「で、でも何で…?まだ時間はあるんじゃ…」

1年生のマネージャーの子が必死な目で問いかけてくる。

「病院の先生にね、入院しないと、1ヶ月も生きられないって。」

「そ、そんなあ…なんで…なんで先輩があ…」

とうとう泣き出してしまった1年生に、私はなにもしてあげることが出来ず、ただ「ごめんね」を繰り返していた。

「ごめんね…。」

なんか自分がほかの人とは違うんだということを改めて実感した気がした。

「本当は今日伝えて今日辞める予定だったんです…でも。」

「でも、生きててもみんなと一緒にいられなきゃいやだから、1週間延ばしてもらったの。」

本当は、もっとみんなと一緒にバレーしたいんだけどなあ…

「だから、あと4日間、よろしくね。」

そう言ったあと、目の前がぐちゃぐちゃになった。

…ああ、泣いちゃったんだ。皆の前では泣かないって決めたのに。

「「おねがいしま…す…」」

「じゃ、じゃあ、また明日…ね。」

とりあえず部室に走った。もうみんなの前で泣きたくないんだ。

がちゃ…

「うわああああああああああああああああああ…」

嫌だ…もう、この世界なんて嫌いだ。

久しぶりに大声で泣いた気がした。