「………」 だけどいつまでたっても歌わない相沢くん。 「相沢くん、もしかして歌下手とか?」 「音楽嫌いらしいもんね、そうかも。」 「音痴の相沢くんもかわいい〜!」 クラスのみんなが不思議そうにヒソヒソと話し始める。 相沢くんの表情はめんどくさそうとか嫌いそう、とかそんなんじゃなくて、 なんだかとっても苦しんでるようにみえた。 歌いたくても歌えない。 歌いたいけど歌わない。 そんな感じの表情だ。 その証拠に、口を開きかけては閉じている。