「勝手に弾くんじゃねぇよ。」




相沢くんの声が聞こえ、慌ててやめる。




「ごめっ……え…相沢くん、それ…」




相沢くんは恥ずかしそうに顔を俯く。





「その、べつにおまえのためとかじゃねぇから。」





相沢くんはサックスを持っていた。





「吹いてくれるの?」





「……あぁ、特別にな。」





相沢くんはそう言ってサックスをくわえた。