すると、人混みの中で急に立ち止まったからなのか



ドンッ!!



「わっ!!」



誰かにぶつかられて、僕はその場に倒れ込んでしまう。


いたっ…なんだよ本当に…



…もう、散々だ。


ぶつかった人も、そのまま足を止める事なく
早々にどこかへ行ってしまったみたいだし。



誰も僕に気を止めてくれる人なんてーーーー





「あの…大丈夫ですか?」





…え?


頭の上からそう聞こえたかと思うと、
目の前に小さな手が差し出される。




顔を上げて見てみると
そこにいたのは僕と同じか少し幼いくらいの女の子だった。



「あ…ありがとう。」



手をとってお礼を言うと、その女の子はニコリと笑った。



…う、か、可愛い…



あれ?っていうかこの子って…