「ねぇ、滝くん。」


「どうしたの?」


「今度、私に勉強教えてほしいなー?」


この一言を言うのにどれだけ時間がかかったんだろう。


緊張…


「俺、飯山さんに教えることないよ!
むしろ、俺が教えてほしいぐらい!」


「今日してたら分からない数学の問題があって…。
滝くん数学得意でしょ?」


「他の教科よりは好きだけど…。
じゃあその代わりに俺に英語教えて?
男子が飯山さんの英語わかりやすいって言ってたから!」


「じゃあ、お互い教え合いっこしようよ!」


「うん!じゃあ、土曜日に俺んちでする?」


「え…滝くんの家?」


「え、あ、そんな深い意味で言ったつもり無いよ…。
気使わせちゃった?」


「いやいや!私の方こそ!
滝くんの家がいいな!」


「じゃあ、朝の10時迎えに行くから家で待ってて!」