だけど…現実はそう甘くなかったんだ。 卒業式を明日に控えた今日、私は屋上にいた。 嫌なことがあった日は屋上に行くという、自分の逃げ場所でもあったここ。 こことも明日でお別れなので、 最後の挨拶でもしとこうかなと気分でやってきていた。 ギィーーーー ドアを開けた瞬間の体を包み込むような風。 この風が私を…ひどく安心させてくれていたんだ。