「もうすぐ夏休みだろ? どっか行きたいとこ考えとけ」



 照れを隠すためにぶっきらぼうに言ってから俺は七歌の頭を撫でた。



 すると七歌はすごく嬉しそうな顔をしながら俺の服の裾を掴んだ。



「ねぇ。それって……、デート?」



 可愛らしく上目遣いで聞いてくる七歌。



「……まあ、そうなんじゃねぇの?」



「本当!? やだ、すっごく嬉しい!!」



 素直じゃない俺の言葉に、七歌は本当に嬉しそうにしている。



 そんな七歌を愛おしいと思う俺は本当、どうかしてる。