小さな恋の物語 *短編集*

「本当に私、洸くんがいないとダメみたい」



 ペロッと可愛く舌を出しながら言う凛が、年上なのにすごく可愛く幼く見えた。



 でもさ。



「俺も。凛が隣にいないと安心できない」



 そう言って俺は凛の肩に頭を預けた。




 ちょうど吹いている春らしい爽やかな風と温かい太陽の日差し。



 それに、隣には凛。



 静かで会話もないけど、ただこの時間がすごく落ち着く……。