小さな恋の物語 *短編集*

　言いながらどんどん涙声になっていく凛の言葉を俺はなるべく優しい声で押さえた。



「凛、どうした？」



　何か不安になることがあったのか、凛は目に涙を浮かべていた。




「何かあったら何でも話す、だろ？」



　“何かあったら何でも話す”それは２人で決めた約束のようなもの。



　特に凛は不安なことや悲しいこと、辛いことを誰にも言わずしまい込むタイプ。



　だから限界がきたら壊れちゃいそうなくらい儚くなってしまうんだ。




　……まるで桜のように…………。