小さな恋の物語 *短編集*

「……ねぇ洸くん」



「ん?」



 少し経ってから、桜を見ながら優しく俺の名前を呼ぶ凛。



 横顔を見ると泣きそうな切なそうな表情を浮かべていた。





「私ね、来年もここに洸くんと一緒に来たい」



「……うん」



「来年もその先もずっと、一緒にいたい……」



「……うん」



「ずっと、ずっと…………「凛」」