「ユキ。ちょっといいか」



城に戻ってきた私たち。
私は、自分に与えられた部屋にいた。
塔から移ってきた私たち、いまだに慣れない。

そんな私の部屋に尋ねてきたのはレオだ。



「レオ・・・。うん。どうぞ」

「・・・悩んでいるのか?」

「え・・・?あ、うん・・・。大きな決断だから」

「そうだな・・・」




レオは、どうしてほしいだろう。
それを聞いたら、私の気持ちも固まるだろうか。



「レオは、どうしてほしい?」

「俺は・・・。ユキは、俺を変えてくれた。大事な恩人でもあるし、大切に想っている。側にいてほしい・・・とは思っている」

「・・・レオ」

「だが、向こうにはお前の家族だっているんだろう?後悔のないように、お前が結論を出すのが一番いいと思ってる」




そんなこと・・・わかってる。
結局は、私が決めなくちゃいけないってことは。

でも、本当は欲しかったのかもしれない。
“帰るな”強くそう引き止めてほしかったのかもしれない。