「心配するな、お前は俺が護る」
「護ってくれなくていい。私も戦う」
「馬鹿か。おそらくあいつらは、お前を狙ってるんだ。大人しく隠れてろ」
自分も戦う。
そういうと思っていた。
護られるのなんて性に合わないお転婆王妃さまだからな。
それでも、俺は護らないといけない。
もう、彼女を傷付けるわけにはいかない。
「いってくる」
馬車を飛び出した俺は、野党たちを薙ぎ払う。
人数は多いが、一人ひとりの力はそれほどではなく簡単に倒されていく。
周りでは、騎士たちも懸命に闘っている。
護る。
それが俺の使命なら。
この命なんて、惜しくはない。
この命は、彼女らに救われた命。
そのために使うのならば、本望だ。
そのために死ねるのなら。
この命、いくらでも捨ててやる。


