「カイはまだ、あの時の事を悩んでいるんでしょう?」
「・・・」
「カイは、死罪でもいいって言ってたくらいだから。罰らしい罰を与えられなかったこと、心苦しく思ってるのかなって。時々、そんな感じしたから」
気づいていたというのか?
俺が、罪の意識を消し去れずにいたこと。
死罪でもなんでも、裁かれた方がましだと思っていたこと。
表に出した覚えはない。
悪夢を見た日は確かに、気分は上がらなかった。
それでも。
「でも・・・、そうだよね。私といても心は休まらないよね」
ユキは切なげにそう言って笑った。
どうしてお前はそうなんだ。
心が苦しい。
気づきたくない想いが溢れそうになるんだ。
そんな資格ないのに。
俺に、お前を想う資格なんて。
「忘れてなんて、無理かもしれない。それでも・・・。いつかカイが、罪悪感以外の感情で、側にいてくれたらって思うよ」
そんな優しい言葉なんていらない。
泣きたくなるから。


