「カイ、おはよう」




任務に向かう途中、ユキに出会った。
すっかりドレス姿も様になっているユキ。

昨夜の悪夢を思い出し、眉間にしわを寄せた。




「体調悪い?」

「・・・いや」




そんな変化にも、すぐに気付いてくれるユキ。
俺は短くそう答えるとユキから顔をそらした。





「任務があるから」

「うん。いってらっしゃい」




明るい声が投げかけられ、俺は居たたまれなくなって歩く速度を速めた。




ユキは、罪におぼれた俺なんかを許そうとし今では何もなかったかのように接する。
それが、俺にはぬるま湯のように感じるんだ。