「なに?なんか、怒ってる?」
「どこに行っていたのかと聞いてる」
「・・・城下」
不思議そうに首を傾げた後ポツリとそう答えた。
なぜ詳しく言おうとしない。
「城下でなにをしていた」
「なにって、いろいろお店を回ったり・・・城下の人と話したり」
「それだけか」
「それだけかって・・・どうしたの?レオ。なんか今日変だよ?」
変なのはお前だ。
他の男とへらへら楽しそうにおしゃべりをした後に、悪びれる様子もなく俺の前でも笑ってるんだから。
「なんでそんなに着飾ってるんだ」
「え?これ?ああ、あのね、洋服屋の子が着付けてくれてメイクまでしてくれたの。すごいよね!メイクでこんなに変わるなんて!」
そして、そうやって変身した姿をあの男に見せていたのか。
「もういい。俺は寝る」
「え?ちょっと、レオ?」
気に入らん。
この俺に隠し事をするなど。
他の男と、楽しそうにするなど。
気に食わん。