その後、俺は追いかけることも詰め寄って問いただすこともできずに城に戻った。




「レオさま、お早いですね」

「・・・ああ」



気も漫ろにそう答えると自室に戻る。
いったいどういう事なのだ。


頭の中で自問自答したところで答えなんて出て気はしない。





そんな時。




「ただいまー。あれ、レオ部屋に戻ってたんだ」





ユキが上機嫌で戻ってきた。
なぜそんなに上機嫌なのだ。

あの男と何かがあったのか?


だから、そんなに機嫌がいいのか?




「どうしたの、レオ。だんまりしちゃって」

「お前、どこに行っていた」




思わず、むすっとした顔でそう聞いていた。