「何度言ったらわかるんです!ユキはもう、ただのユキではないんですよ!」




張り裂けんほどの声で叫ぶと、ユキはふて腐れた顔で耳を塞ぐ。
そのしぐさにさらに怒りのボルテージは上がる。




「そもそも、なぜフランがついていながらそういう事になるんです!」

「・・・ご、ごめん。でも、少しは息抜きしないとユキさまだって、ねぇ」

「息抜き、息抜きと何度息抜きすれば気がすむんです」




午前中にもそう言って庭で遊んでいたことを私が知らないとでも?
そしてたまっていく仕事に頭を抱えているのは、私だけ。
なんでそんな悠長なのか。



「もう少し、自覚を持ちなさい」

「はい・・・ごめんなさい・・・」



シュンとしおらしくなったユキに、少しだけ怒りを抑えため息を吐いた。
私だって、こんな叱り倒したいわけではないのです。

ユキだって、王妃になり数々の仕事に追われ息抜きがしたいと思う気持ちだってわからなくもないのです。




ですが。




ですが。





モノには限度というものがあります!