「僕、強くなって!もっと大きくなって、そしたらお城で戦う騎士になるんだ!」




力強い声でそう宣言するガキに、俺は視線を映した。
キラキラと光る瞳に見えているのは希望とか、熱意とか、そう言うそれこそキラキラしたもんで。


ああ、いつの間にか俺はかつての自分がそうだったような気持ちをいつの間にか忘れていたのかも、なんて。




いや、熱意がないわけじゃない。
レオさまの側で、レオさまの一番近くでこの国を見て護っていける事がこれ以上ない幸せだと。



だから、この命を賭けてこの国に仕えると決めた。



その気持ちは今だって。





「国を襲う悪い奴は僕がやっつけて!みんなの事、僕が守るんだ!」





ただ、そうやって熱い想いだけを持って生きていた頃とは違う。
いろんなしがらみも、様々な黒いものとか。
そういうのに縛られ、見ていくうちに。


少しずつ純粋だったあの頃の気持ちから遠ざかっていくような気がして。




心の底にあるもんは変わらねぇはずなのに。





自分がひどく真っ黒に見えた。