ユキに教えてもらった場所に向かう。
そこにつくと、丁度発つところだった。
「エリサさんっ!」
不安に駆られながらも名前を呼ぶと、きょろきょろと辺りを見渡したエリサさんが僕の姿を捕らえた。
一瞬目を見開いた後クシャッと笑った彼女が僕に駆け寄る。
「フランさま!」
変わらない笑顔に、胸が痛くなる。
決心が、揺らぐ。
「エリサさんが、国を出ると聞いて・・・」
「はい・・・。親戚が、面倒を見てくれると言っているので。母のためにもその方がいいと・・・」
「そう・・・」
寂しそうに目を伏せるエリサさん。
僕は、拳を握り気づかれないように息を吐く。
「エリサさん、僕・・・」
「私、フランさまが好きでした」
僕の言葉にかぶせるように告げられた言葉。


