「騎士の、入隊試験始まるよ!」

「うん!」



今日は、新しく募集をかけた騎士の入隊試験の日だ。
私も、試験官として試験に立ち会う。



「ユキ、本気で受験者伸したらだめだからね」

「う、うん。気を付ける」




ついつい本気になってしまう私は、前回の入隊試験で受験者に本気でぶつかり相手を気絶させた前科がある。
つい、筋のいい相手だったから白熱したんだ。




「さっき、受験者見て来たけど・・・。ユキ、びっくりするよ」

「え?」





フランが意味深に笑う。
私は首をかしげながら足を進めると、受験会場になっている武道場に入った。


面接はすでに終わり、次は実技試験手合せだ。
試験管は私とフランとノア。

交代で受験者の相手をする。


今回もたくさんの受験者が訪れていた。
実技の様子を見守る。
騎士に志願するだけあり、皆それぞれに強者ぞろいだ。