それから、半年の月日が流れた。
それっきりカイとは会っていない。
私の側で生きる。
そう言ってくれたカイの言葉を、私は忘れられずにいる。
レオは、この間無事にマリア様との婚姻の儀を終えた。
マリア姫もこの城に移り住むようになって、城はまた賑やかになった。
胸を痛ませることはもうない。
私の胸を閉めるのは、カイへの想い。
カイがいなくなって、自分の気持ちに確信を持った。
私はカイが好き。
カイの事が、好きなんだ。
その想いを伝える術はない。
でも、いつかカイにまた会えると信じてる。
「ユキ―!」
フランが私を呼ぶ声がする。
私は見上げていた空から視線を移す。


