カイはすぐに荷物を纏め出立の準備を整え門のところにいた。
私は見送りに来ていた。



レオたちとはもう挨拶を交わしたらしく、私とカイだけだ。




「カイ、よかったね。これで、リリちゃんと暮らせるね」

「・・・いや、リリのところにはいかない」

「え?」

「それは、最初に決めたことだからな」

「そんな・・・」

「俺は、リリが幸せでいてくれたらそれでいいんだ」




離れていても。
カイの、優しさなんだろうか。




「許されたからって、忘れない。俺がしたこと。それから、お前への気持ちも」

「カイ・・・」

「今度は、償いとしてではなく、お前の側にいられるように、俺は生きるから」

「え・・・」

「だから、その時に、・・・ユキの気持ちを聞かせてほしい」





私の気持ち・・・。
私の側にいられるように・・・。





カイは、そう言うと手を振って去っていった。
私はその背中を見えなくなるまでずっと見つめてた。