「・・・わかりました」

「カイ・・・」

「長い間、お世話になりました」




深々と頭を下げたカイ。
スッキリとした表情をしていた。



「荷物をまとめ、準備を整え次第城を出るといい。もう、俺たちが裁くことにならないように精進しろよ」

「はい。心しておきます」




よかった。
カイ・・・本当に、よかった。


でも、カイがいなくなる。


この城から、出て行く。



そういう事なんだよね。




「準備、してきます」



カイはそう言って城に向かう。
その背中を見つめながら胸にわずかに生まれた気持ち。
私はそっと胸に手を当ててその背中を見送った。