「・・・ユキ。いいんだ。俺が決めたことだから」

「カイ・・・」

「すみませんでした」



カイは深く頭を下げた。




「勘違いするな。騎士の任を解くということは、お前はもう自由だっていう事だ」

「え・・・」

「もう、この城にも、罪にも縛られなくていい」




レオは、はっきりとそう言った。
それって、もうカイの事を許すってことだよね。

罪を償ったって認めるってことだよね。



「レオ・・・」

「だから、お前の好きにしたらいい」

「なんでだよ・・・。俺は、命令を無視したんだぞ」

「お前は、ユキを本気で心配して助けに行ったんだ。俺は、お前にそうなってほしかった。誰かを傷付ける人間ではなく、助けようとする人間に。だからこそ、騎士として側におくことに決めたんだ。お前はもう、立ち直れた。そう認めたから、お前を騎士の任から外すことを決めたんだ」



誰かを護れる人間に。
カイが、そうなってほしかったんだ。

今、カイはそうなれた。
私の事を、助けてくれた。