男装騎士~それから~




「よかった・・・。本当に。よかった・・・」

「カイッ・・・カイ・・・」




泣きじゃくりながらカイにすがって。
カイの身体も震えてて。




「ごめん・・・ごめん・・・」



そう何度も謝っていた。
どうしてカイが謝るんだろう。

それでも、私はただただカイが来てくれたことが嬉しくて。




「カイ・・・」




何度も、確かめるように名前を呼んだ。
どれくらい時間がっただろう。

落ち着いた私を身体から離すと、カイはとても悲しげに微笑んで私の頬を撫でた。




「帰るぞ」

「・・・うん」




一瞬。
カイがどこか遠くに行ってしまいそうな気がした。