男装騎士~それから~




外から突然雄叫びが聞こえた。
それは、大男のモノのように聞こえた。

いったい、何が起きたんだろう。


恐怖になかなか開けない瞳を何とかこじ開け細く開けた目で見た。



部屋の中には何も変わりはなく、いつの間にかお男が外にいていたことに気づいた。
だとしたら、さっきの雄叫びはやはり大男のモノだろうか。





「ユキ!!」





勢いよく扉が開かれたと同時に聞こえた声。
その声に目を見開く。


汗を流し、息を切らせたカイがボロボロの姿で立っていた。



「カ・・・イ・・・?」

「ユキ、大丈夫か!?」




駆け寄ってくれたカイ。
私の腕と足の縄をほどいてくれる。
自由になった手で、カイに抱きついた。


震える身体を、カイは優しく包み込んでくれた。