男装騎士~それから~




「俺は・・・、あいつに酷いトラウマを植え付けた張本人だ。そんな事、わかってんだよ。俺に、そんな資格ないって、わかってるんだ」




握りしめた拳を痛いくらいに強く握って。





「でも、だから、もう、あいつにそんな恐怖を味あわせたくない。護るって、決めたんだ。あいつの事、俺が護るって・・・」




その言葉は嘘じゃない。
ウソにしたくない。


今この時だって、ユキは恐ろしい思いをしているんだ。





「俺は、騎士としてじゃなくて、一人の男としてあいつを助けに行く。それなら、いいだろ」




俺はそう言うと執務室を飛び出した。
お咎めは、すべて受けよう。

あいつを救いだした後全て。



今は、あいつの、ユキのところに行くことを許して。



俺が、ユキを護るって誓ったんだ。