「大変だ!!!」
レオさまの執務室に、フランが慌てた様子で駆け込んできた。
俺は、丁度レオさまの護衛でここにいた。
「フラン、どうした」
レオさまは、慌てた様子のフランに、落ち着いた様子で声をかけた。
フランは上がった息を整えようと大きく肩で息をする。
「ユキ・・・ユキがっ!!!・・・この手紙!」
相当慌てて走ってきたのか、フランは声にならない声で必死に訴えながら持っていた紙を持ち上げた。
俺がその手紙を受け取り中を見る。
「・・・女の騎士は預かった。返してほしくば、金を用意しろ・・・。1時間後までに用意できなければ女の命はない・・・」
「なに!?ユキを、誘拐したという事か!」
読み上げると、それはユキを誘拐したと印す手紙だった。
女の騎士なんて、ユキしかいない。
ユキが・・・。
血の気が引いていくのがわかった。


