いつの間にか人気のない路地裏の方まで歩いてきていた。
表通りは賑わっているのに、少し中にはいるとまるで別の場所のように静まり返っている。
そうだ、リリちゃんを見に行ってみよう。
私も、リリちゃんの事気になるし。
大通りに戻ろうと歩き出した時だった。
突然後ろから口を手で覆われ、身体をがっしりと捕えられた。
「んっ!?」
「大人しくしろ」
低い声が耳元で聞こえ、私は強い力で抑えつけられながらどこかへ連れて行かれた。
「・・・う・・・」
私が目を覚ましたのは、薄暗い埃っぽいどこかの部屋の中だった。
手は後ろで縛られ、足もひとまとめに縛られ身動きが取れない。
いったい、誰の仕業?
私を誘拐して、なにをしようとしてるの?
目的は・・・。
そんなことを考えていると、誰かが入ってくるのがわかった。


