男装騎士~それから~




「俺にしとけばいい・・・」

「え?」

「俺が、お前の事護るから」




顔をあげると真剣な瞳のカイと目が合った。
驚いて目を見張ると、カイもハッとしたように目を見開き手を放した。



「わ、悪い。俺、なに言ってんだろうな・・・。そんな事、言える資格ないっての」



自虐的に笑うとスプーンを手に取り甘味を食べ始めた。
私は、動くことができず心臓だけが煩く音を立てていた。


ど、どうしちゃったんだろう私・・・。
急にかいが変なことを言うからだよね。

びっくりしただけだよね。



だって、カイがあんなこと言うなんて思わなかった。




「お、美味しいね」




私も慌ててスプーンを手に取って一口頬張るとぎこちなくそう言った。
カイは、小さく頷いて困ったように頭をかいた。


カイも不本意だったみたいだ。
思わずついて出た言葉みたい。


なんだかそれって、本心みたいで・・・。


そう思ったら余計に恥ずかしくなった。