だったら、この世界から逃げ出して自分の世界に戻る?
その選択肢も、あるのかな・・・。
「わからない・・・」
「わからないって・・・。ここにいたら、いやでも見ることになるぞ?」
「・・・レオとマリア様を?」
「いくら納得したと思っても、目の当たりにすれば辛いだろ」
カイの言葉には重みがあった。
会えば記憶が呼び戻される。
カイは、その想いを経験してる。
「うん・・・そうだよね」
どうしたいんだろう。
私は、この先・・・。
答えを出さなくちゃいけないのに。
「はぁ・・・」
思わず吐いたため息。
情けないや。
テーブルの上に置いていた右手。
その右手にそっとカイの手が乗せられた。


