男装騎士~それから~




カイの少し後ろを追いかける。
背の高いカイ。

ふわっとした髪を揺らし私の前を歩く。



「・・・その甘味処ってどこ?」

「あ、うん。次の通りを右にいってすぐあるんだ」



慌ててそう言ってカイに並ぶ。
カイに、見惚れちゃった。

なんだか無性に恥ずかしくなって顔を染めた。




「あ、ここ?」

「うん」




おしゃれな甘味処は、一人じゃ来にくかった。
カイが来てくれてよかった。


席に案内されて、それぞれに注文する。




「お前はさ、なんで騎士になったの?」

「私?・・・もともとは、グレンに引きこまれて。半ば脅されて?」

「は?」

「レオには味方が少なかったから、少しでも味方を増やしたかったんだって」



懐かしい。
ずいぶん昔のように思える。