男装騎士~それから~




「でも、俺はこうやってリリがちゃんと成長していくのを見れたらそれでいい」

「カイって、不器用だね」




快斗ならんでこっそりリリちゃんを見る。
本当に楽しそうに笑ってる。

でも、よかった。
リリちゃんのあんな元気そうな姿が見れて。



「お前、今日休みか」

「うん。カイもでしょう?せっかくだから一緒にどこか行こうよ」

「どこかって・・・」

「美味しい甘味屋さんを見つけたんだよ。ずっと行きたいって思ってたんだけどさ、休みってあんま人とかぶらないから一人では行きづらくって」




せっかくカイと会えたんだから、一緒なら行きやすいし。



「お前って、ほんと・・・変な奴」

「え?なにが?」

「俺には、そんな資格ねぇんだけどな・・・」



カイがポツリと呟く。
私は意味が解らなくて首をかしげた。




「ほら、行くぞ」

「え、あ、うん」


歩き出した甲斐を慌てて追いかける。
いったい、なに?