カイ、リリちゃんの様子見に来てたんだ。
リリちゃんは、都市の同じくらいの友だちと楽しそうに遊んでいる。
身体の弱かったリリちゃんの姿はもうない。
いい薬をちゃんと処方され、無事病気も治ったと聞いた。
カイは、リリちゃんを陰からじっと見つめていた。
リリちゃんはカイに気づいていない様子だ。
声、かけないのかな?
私はそっとカイに近づく。
「声、かけないの?」
「・・・ユキ」
ハッとした買いが私を見る。
気まずそうに顔をしかめると小さく息を吐いた。
「リリの生活を壊したくないから。せっかく、俺の事忘れて笑ってるのに」
「忘れてなんて、ないんじゃないかな・・・。きっと、リリちゃんもわかってるんだよ。カイが頑張っている事」
「・・・そうかな」
「そうだよ。忘れるわけないよ。兄妹なんだから」
忘れるなんてないよ。
だって、リリちゃんはお兄ちゃんの事が大好きだったよ。
私は、たった一度しかリリちゃんに会った事はないけれど、その時にも十分に感じたよ。


