男装騎士~それから~




それからの日々は、とても怒涛の日々だった。
マリア様が予定通りやってきて、こちらでの生活を始めた。

マリア様は、とても優しくて穏やかでお上品ないい人だった。
きっと、あの方ならレオを幸せにしてくれると思う。



感傷に浸る余裕もなく、私は騎士としてバタバタと走り回り、働きづめになった。
それは、感謝しているけれどね。



カイは、あの一件以来少しふっ切れたように思う。
身軽になったというか、笑顔も時々見せるようになった。


完全に忘れることはできないと思うけど、少し前進したカイを見て嬉しく思う。




「あー、落ち着く!」

「ははっ、ユキったら。まぁでも、ずっとバタバタしてたしね。訓練もなかなかできなかったもんね」



マリア様もいったん自国へ戻られ、穏やかな日々が戻ってきた。
そんな私たち騎士一同は、リフレッシュもかねて訓練にやってきたのだ。

リフレッシュが訓練って、私もすっかり騎士道まっしぐらね。


でも、身体を動かすのは気持ちの発散になるし。
こうして、騎士で集まれるのもすごく楽しい。



「フラン、剣も使うようになったんだ」

「ああ、うん。やっぱ弓一本じゃね。接近戦には弓は向かないし」

「そうだねー。じゃあ、手合せする?」

「する!でも、まだ慣れてないからお手柔らかに!」

「わかった」