未知の世界3


幸治さんが鞄から取り出した聴診器を耳に当てる。




久しぶりに受ける幸治さんの診察。最近は進藤先生だったから、すごく緊張する。




服を上げる手に汗がにじむ。




「そんなに緊張してないで、力を抜いてリラックスしてくれないかな?」




あっ、と思い、手を服から離す。




幸治さんがすかさず私の服をあげたまま、聴診器を胸に当てる。



「吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー」




という幸治さんの声に合わせてゆっくり呼吸をする。




一点を見つめたまま集中している幸治さんの顔、すごくかっこいい。



幸治さんの顔をボーっとしてみていると、




「はい、次は背中。」



と言われ、後ろを向き、今度は背中に聴診器を当てる幸治さん。



背中が終わると、向き直って今度は喉の状態を見られる。



それからリンパの状態。幸治さんの手がものすごく温かい。



このままでいてほしいと思っているとすぐに終了。



熱はなく、血圧も良好。






よしっ!!



これで旅行に行ける!!