未知の世界3


「そんなにゼリーが食べたかったのか!?」






お腹をかかえて笑うのは幸治さん。






検査が終わり、部屋に戻ってくると、すぐに幸治さんが来てくれた。





すでに進藤先生から連絡をもらったみたいで、幸治さんは、部屋に来るなり笑いだした。





「だって、、、体がだるくて、何も食べれなかったんだもん。」






半ばすねながら、幸治さんに冷蔵庫から出してもらったゼリーを食べる。






「美味しいか?」





と言いながら、スプーンを握っていた私の手を握り、ゼリーをすくうと幸治さんは、自分の口の中に入れた。






へ?間接キス!?







顔が一瞬で赤くなった。





ゼリーを食べながら、私を見る幸治さん。






「うまいな。」





はず、、、恥ずかしい、、、。





大きな目でしかも顔が近いし、私の使ったスプーンだし。






「も、、、も、、、もう、お腹いっぱいなんで、どうぞっ!」





恥ずかしくてそんな言葉しか言えなかった。






幸治さんは、





「もういっぱいなの?食欲ないね。





食べなきゃ体力つかないぞ。」







とズカズカと私のことも考えずに言う。






そうじゃないのに、お腹が本当にいっぱいじゃないのに。





確かに食欲はないけど、、、






本当はまたそのスプーンで、、、ゼリーを食べたいのに。






と思って幸治さんを見ていると、






「ほらっ」






と私の口にゼリーの入ったスプーンを入れる。
 




え?今、何をっ!?






思わず口の中のゼリーをそのまま飲み込んだ。






「ゼリーだけど、少しくらい噛めよ。むせるぞ。」






と幸治さんが言う。






いきなりのことで驚きが止まらない。





「も、もういいです。本当に。





幸治さん、食べてください。」 






って、私、食べかけを幸治さんに食べさせるなんて!?





なんてことを!?





「あ、、、やっぱりダメです。
私の風邪が移りますし、、、」






なんてぼそぼそ言うけど、幸治さんは、






「何をいまさら。」  






とさらりとかわし、残りのゼリーを食べた。
   

 



「まぁいいや、熱はまだ下がってないだろ?
もう少し休めよ。」






といい、私を寝るように促し、最後にいつものように私の頭をなでると、部屋から出ていった。





ふぅ~





ドキドキが止まらない。






一気に疲れが来た気がする。