「そんなにゼリーが食べたかったのか!?」
お腹をかかえて笑うのは幸治さん。
検査が終わり、部屋に戻ってくると、すぐに幸治さんが来てくれた。
すでに進藤先生から連絡をもらったみたいで、幸治さんは、部屋に来るなり笑いだした。
「だって、、、体がだるくて、何も食べれなかったんだもん。」
半ばすねながら、幸治さんに冷蔵庫から出してもらったゼリーを食べる。
「美味しいか?」
と言いながら、スプーンを握っていた私の手を握り、ゼリーをすくうと幸治さんは、自分の口の中に入れた。
へ?間接キス!?
顔が一瞬で赤くなった。
ゼリーを食べながら、私を見る幸治さん。
「うまいな。」
はず、、、恥ずかしい、、、。
大きな目でしかも顔が近いし、私の使ったスプーンだし。
「も、、、も、、、もう、お腹いっぱいなんで、どうぞっ!」
恥ずかしくてそんな言葉しか言えなかった。
幸治さんは、
「もういっぱいなの?食欲ないね。
食べなきゃ体力つかないぞ。」
とズカズカと私のことも考えずに言う。
そうじゃないのに、お腹が本当にいっぱいじゃないのに。
確かに食欲はないけど、、、
本当はまたそのスプーンで、、、ゼリーを食べたいのに。
と思って幸治さんを見ていると、
「ほらっ」
と私の口にゼリーの入ったスプーンを入れる。
え?今、何をっ!?
思わず口の中のゼリーをそのまま飲み込んだ。
「ゼリーだけど、少しくらい噛めよ。むせるぞ。」
と幸治さんが言う。
いきなりのことで驚きが止まらない。
「も、もういいです。本当に。
幸治さん、食べてください。」
って、私、食べかけを幸治さんに食べさせるなんて!?
なんてことを!?
「あ、、、やっぱりダメです。
私の風邪が移りますし、、、」
なんてぼそぼそ言うけど、幸治さんは、
「何をいまさら。」
とさらりとかわし、残りのゼリーを食べた。
「まぁいいや、熱はまだ下がってないだろ?
もう少し休めよ。」
といい、私を寝るように促し、最後にいつものように私の頭をなでると、部屋から出ていった。
ふぅ~
ドキドキが止まらない。
一気に疲れが来た気がする。



